有松絞りとは – 技法と特徴

東海道53次の浮世絵にもでてくる有松絞りの、400年以上前に始まった誕生の歴史と、長い年月を経て育まれた製品の技法と特徴を、リラックスした角度から眺めてみました。

有松絞りの歴史

有松絞りの技法と特徴

絞り技法ひとつで作り出す、シワやヒダ

・生地をつまんで糸を巻く。
・ヒダを取って糸で縫う。
・棒に巻きつけた布を押したり縮めたり。
 
絞りの仕方ひとつで、それまで想像したこともなかったような、不思議で素敵な模様を創りだしてくれるのが絞り染めの世界です。
遠い昔から、日本だけではなく、世界にはいろいろな絞りの方法があって、それぞれが違った模様でその国の文化に溶け込みながら、現在も生き続けています。
そして、世界に存在する約100種類の絞りの技法の中の90%は、日本で発達した技術であると言われています。

有松絞りの工程

①括り(くくり)
 
②染め
 
③糸ぬき
④湯のし

生地に描いた下絵に合わせてひとつづつ手作業で布に糸を括りつけます。
糸で括られた部分は、染料が染み込まないため白い生地のまま残ることで柄となります。
染め上がった生地から、括られていた糸を抜きます。
括られていたことでできた布の皺(シワ)を取ることで、商品としての反物になります。

手作業ゆえにかかる長大な時間

1メートル四方で1万回、総鹿の子絞りの振袖の場合には20万回も繰り返すこともある括りの作業は、一粒一粒全てを手作業で行いますので、気の遠くなるような時間を要します。
戦後の有松絞り最盛期には、有松周辺の農家の人たちの副業としても行われ、あの金さん銀さんも、この工程に携われたことがあるそうですが、この括り作業とは、正に人の手間が掛かる作業であったことが分かります。
括り職人さんの高齢化と減少から、一部の高級品を除き、人件費の安い海外で生産されることが多くなっています。

柄と共に魅力の肌触り

有松絞りの魅力は、人間味溢れる手作業による絞りならではの「柄」と、見ただけでは分かりにくい「肌触り」があります。
糸で括り付けた生地を染めた後に、糸を解けば必然的に生まれる生地の皺(シワ)が、他の浴衣生地にはない、肌触りの心地良さを生み出します。
例えとして適切かどうかの判断は個人差がありますが、その肌触りは子供用パジャマの生地「サッカー」を想像していただくと分かりやすいかも知れません。
「夏に着る浴衣」ですので、汗をかく暑さの中で気持ちよく過ごすことができる生地であることはひとつの大きな魅力です。

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